出産後のセルフケア
出産で傷んだ筋肉や靱帯は、順調ならば約1~2カ月で、以前と同じくらいの内臓の重みを支えられるように戻ります。それまでの期間は、労作のトータルを減らす、日中少しずつ横になる時間をとる、など骨盤底の養生に努めることが大切です。
出産後、早くから体形を戻そうとするのは問題です。体形補整のためのコルセットやガードルをつける場合は、産後4週頃に受ける褥婦健診で子宮下垂や膀胱瘤の問題がないとわかってからにしましょう。
早くから胴回りを締めることで美しい体形を取り戻せるという根拠はありません。逆に、この時期に胴回りを強く締めつけることの害ははっきりしています。子宮や膀胱が腟内に押し込まれ、骨盤臓器脱や尿もれになってしまうおそれがあるのです。
同じ理由で腹筋を鍛える体操も、褥婦健診をぶじ通過するまでは、開始しないでおきましょう。胴回りが少々すっきりしても、股の間に子宮や腟がはみ出してきたら元も子もありません。
昨今、出産後に恥骨結合(左右の恥骨が下腹部で合わさっている場所)や仙腸関節(背骨と骨盤が移行するつなぎ目)がゆるんで痛む、左右の腹直筋が臍の両側に分かれてしまう(腹直筋離解)などの問題が増加しています。これには、出産年齢の上昇などの原因がありそうです。
これらの問題は骨盤底や膀胱尿道とは少し別のことですが、骨盤底筋トレーニングや
フィットネス一般の妨げになります。セルフケアだけで対応するのはやや難しいので、産科の担当医を通して整形外科などの専門診療科へご相談いただくことを奨めます。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
- ※尿もれを引き起こす原因の特定は本人には難しい場合がありますので、担当医にご相談ください。
今すぐできる尿もれ対策には
このカテゴリーの記事
- 妊娠、荷物を持つともれる
- 妊娠中の尿もれ対処法
- 産後の尿もれ・子宮下垂
- 出産後、排尿に不具合
- 悪阻やくしゃみでもれる
- 妊娠・産後、せき・くしゃみでもれる
- 産後の尿もれ
- 産後の尿もれ受診の目安
- 産後の尿もれ、便もれ
- 産後、朝起きるともれる
- 産後、尿が出にくい
- 産後、尿が止められない
- 尿もれ予防の生活習慣
- 出産直後からの尿もれ
- 産後、肛門に力が入らない
- 産後の膀胱下垂
- 出産後のおねしょの悩み
- 産後、生理前の尿もれ・おねしょ
- 妊娠週数と尿トラブル
- 妊娠中の排尿の心得
- 分娩時の骨盤底ダメージ
- 分娩による骨盤や骨盤底の神経への影響
- 骨盤底にやさしい分娩
- 産後のおしっこトラブル
- 出産後の肛門のゆるみ
- 出産後のセルフケア
- 産後の骨盤底トレーニング
- せきやくしゃみでもれる
- 走るともれる
- くしゃみ・ランニングともれ
- 産後、スポーツでもれる
- 縄跳びで尿もれ
- トイレに間に合わない
- 残尿と出産、卵巣のう腫
- 出産後、子宮脱に
- 産後のお湯もれ、対処法