2人目の出産後から排尿・排便に不具合が。3人目の出産時に手術は可能ですか?
2度の出産経験(経腟分娩)があります。1人目の時は産後の痛みが消えるのと比例して症状も回復しましたが、2人目の時は産後すぐの排尿時に尿を途中で止めることができませんでした。閉める感覚が全くわからないといった感じでした。
さらに、出産時に腟と肛門の間が破れて、縫合はしたもののうまくくっつかずに4カ月後に再度手術を受けました。
それでもくっつかず約3年が経過、腟からおならや便がもれるといった症状があります。それと関係するのかはわかりませんが、今でも肛門に力が入らず、便を切ることもうまくできません。
また、排尿途中で尿を止めることもできず、肛門や腟を閉める運動を最近始めたところです。というのも、くしゃみをして少し出ることはたまにありますが、先日尿意を我慢して立ち上がった途端にジワーッと出てしまったからです。
そろそろ3人目を希望していますが、産むと尿もれがもっとひどくなるのでは、と不安です。
次の妊娠の前に、腟と肛門の間を手術したほうがよいのかと考えますが、できれば出産の傷と一緒に縫合したほうが、痛みも1度で済むという思いがあります。
この手術をすることで尿もれは治るでしょうか? (こまち・37歳)
産科的瘻孔であれば受診先は骨盤底再建外科、次の妊娠前に問題の解決をおすすめします。
現在の骨盤底の状況からみて、おそらく肛門括約筋が傷ついています。肛門括約筋と周囲の筋肉の傷ついた状態になると、50%以上に腹圧性尿失禁が起こり、人によっては切迫性尿失禁にもなります。
「腟からおならや便がもれる」については、ひょっとすると、肛門括約筋より上で腟の後壁から直腸につながる小さな孔(瘻孔:ろうこう)ができているのかもしれません。
出産後に腟と直腸、腟と膀胱などがつながってしまい排泄物が腟内に入り込む病態は「産科的瘻孔」と呼ばれます。
産科的瘻孔や肛門括約筋の修復は、やや専門的な外科処置で、ウロギネコロジスト(骨盤底機能障害を専攻する産婦人科の専門医)や肛門科・消化器外科が取り扱っています。次回分娩の時に産婦人科でついでに修復を、というのは難しいのではないかと思います。
時期については、次回妊娠中の衛生管理や早産防止の観点から、次回妊娠を待たずに瘻孔修復を受けられる方がよいのではないでしょうか。
肛門括約筋の断裂や産科的瘻孔を手術で修復した後は、修復した箇所を守るために、原則として出産は帝王切開で行ないます。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
この記事をご覧の方へのオススメはこちら
他のおすすめ「チャームナップ」
あなたの好みに合わせて選んでください。
今すぐできる尿もれ対策には
このカテゴリーの記事
- 妊娠、荷物を持つともれる
- 妊娠中の尿もれ対処法
- 産後の尿もれ・子宮下垂
- 出産後、排尿に不具合
- 悪阻やくしゃみでもれる
- 妊娠・産後、せき・くしゃみでもれる
- 産後の尿もれ
- 産後の尿もれ受診の目安
- 産後の尿もれ、便もれ
- 産後、朝起きるともれる
- 産後、尿が出にくい
- 産後、尿が止められない
- 尿もれ予防の生活習慣
- 出産直後からの尿もれ
- 産後、肛門に力が入らない
- 産後の膀胱下垂
- 出産後のおねしょの悩み
- 産後、生理前の尿もれ・おねしょ
- 妊娠週数と尿トラブル
- 妊娠中の排尿の心得
- 分娩時の骨盤底ダメージ
- 分娩による骨盤や骨盤底の神経への影響
- 骨盤底にやさしい分娩
- 産後のおしっこトラブル
- 出産後の肛門のゆるみ
- 出産後のセルフケア
- 産後の骨盤底トレーニング
- せきやくしゃみでもれる
- 走るともれる
- くしゃみ・ランニングともれ
- 産後、スポーツでもれる
- 縄跳びで尿もれ
- トイレに間に合わない
- 残尿と出産、卵巣のう腫
- 出産後、子宮脱に
- 産後のお湯もれ、対処法