産後10カ月で膀胱下垂との診断。尿もれと不快な症状があり心配です。
産後10カ月が経過し(初産、促進剤を使ってのスピード出産で、最後までいきみ続けての出産)、いまだ膀胱下垂と診断されています。
自分では尿もれはないつもりでしたが、吸水ライナーで足りないことが、ときどきあります。下着にまでしみることは妊娠以前にはなかったので、多少のもれがあるのだと思います。
最近は腟に違和感があり、触ってみると腟が少々出てきているようです。非常に不快です。尿もれも、それが原因なのでしょうか。
骨盤底筋トレーニングもしていますが、もう膀胱下垂は治らないのでしょうか? 諦めるのはまだ早いですか?
第2子も考えているのですが、これ以上症状がひどくなるなら躊躇してしまいます。アドバイスをお願いします。(まるまる・31歳)
出産直後からの尿もれが固定するのは少数派。膀胱下垂は一度かかると自然にはなくなりません。
出産したら腟がゆるんだようだ、尿もれもありそうだ、とのご相談をよく受けます。
確かに、出産後の骨盤底は力が入りにくく、尿意も鈍って尿がもれやすい状態ですが、数カ月経つとほとんどの人は生活上困らない程度に機能が回復します。これに伴って腟の垂れたような違和感も去っていきます。
もし、まるまるさんが、出産から10カ月経って膀胱の下垂感が強くなってきているということでしたら、尿もれもさることながら、いつもの排尿ですぼめといきみをしてしまっている可能性はないでしょうか。
骨盤底筋トレーニングの指導では、「骨盤底をキュッとすぼめると膀胱収縮は弱まります」と説明します。この現象は脊髄を介する神経反射によるもので、尿道括約筋が収縮すると末梢神経と脊髄と自律神経を介して膀胱収縮は強く抑制されます。
膀胱下垂や膀胱瘤があると、人にもよりますが排尿時に骨盤底をすぼめがちになります。すると、「膀胱下垂感」→「排尿時、思わず骨盤底をすぼめてしまう」→「膀胱収縮が弱くなる」→「腹圧をかけて尿を絞り出す」→「膀胱がますます下る」→「膀胱下垂感が強まる」という悪循環ができます。
排尿時のすぼめ動作は膀胱瘤を進行させる傾向があります。特に、出産の後など骨盤底がゆるんだように感じている人の場合、排尿時に思わず骨盤底をすぼめがちです。
膀胱瘤の進行には膀胱下垂感と排尿時の腹圧の間に悪循環が成立するため、一度前壁がゆるんで下がり始めると、なかなか自然にはよくなりません。
出産後の腟のゆるみや下垂は、それ自体がひとつの不具合ですが、よほどの骨盤底損傷がない限り、腟のゆるみや下垂だけで恒常的な尿もれになってしまうことはありません。一方、腟のゆるみや下垂のためにすぼめながら腹圧を加えて排尿するクセがついてしまうと、その人は次第に尿もれしやすくなります。
まるまるさんの場合、真の尿もれがあるのかどうか(腟内遺尿ではないのか)をまず確認する必要があります。もし真の尿もれがあるとしても、下ったからもれる、という関係ではないだろうと考えられます。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
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