産後2カ月、量は少ないものの尿もれが。受診はどれくらいの時期にすればいいですか?
1人目を出産して2カ月、悪露が最近終わり、尿もれしていることに気がつきました。
分娩は陣痛で入院してから48時間かかり、子宮口全開から4時間で吸引分娩とおなかを上から押しての出産になりました。先生から詳しい説明は受けませんでしたが、会陰切開をして、それ以上にも損傷があったのではないかと思います。
縫合後、「産後がちょっとハードかもしれません」と先生がおっしゃり、便もれも心配していたようでしたが、入院中は便意を感じてトイレに駆け込むことはあったものの、もれてしまうところまではいかずにすみました。
尿もれの頻度は1日に10回くらい。まったく尿意がない時でも、子どもを床から抱き上げる時、立った姿勢から立て膝になるなど姿勢をかえる時、授乳中に姿勢を正そうとする時などに起こり、せきやくしゃみでは起こりません。
また、排尿後に立ち上がってから残尿感があって、少しちょろっと出てしまいます。量は少なく、吸水ライナーで対応しています(セルフチェックのために重さを量ってみても1gいかないようです)。排尿の途中で尿を止めることはできますが、きれが悪いです。
量が少ないのは幸いかもしれませんが、一日中気になり、治るものなら早く治したいと思っています。トレーニングは腹筋にどうしても力が入ってしまう気がしてうまくいきません。
女性泌尿器科を受診したいと思っていますが、産後どのくらい経つまで様子をみるべきでしょうか。(匿名・32歳)
腹圧性尿失禁ではないようです。おしっこの習慣などにも気をつけて。
これは腹圧性尿失禁ではなさそうです。
腹圧性尿失禁という病気は、重症なものも軽微なものも「これ以下の力ではもれないが、これ以上の力をかけたらもれる」というわかりやすい限界、もしくは境目のようなものを設定することができるのです。この限界を「閾値」といいます。
「子どもを床から抱き上げる時にもれる」のであれば、閾値の低い重症な腹圧性尿失禁です。閾値の低い尿失禁ならば、せきやくしゃみでも尿がもれます。日常的な動作により何回も閾値を超えた力がかかり、パッドはすぐにビショビショになります。パンティライナーなどで対応しきれるものではありません。
匿名さんの尿もれでは閾値を設定できないことが、腹圧性尿失禁らしくないと申し上げる理由です。
ただし、出産後のお股に痛みが残り尿意の鈍い状態では、腹圧で尿を排出するクセがつきやすく、不自然な排尿習慣は将来的に腹圧性尿失禁の発生する原因になります。
本格的な腹圧性尿失禁になってしまわないために、以下を励行しましょう。これらは骨盤底筋トレーニングとは全く別のことです。
- (1) 十分な尿意を感じおしっこを少々がまんしている状態になってからトイレへ行く。
- (2)尿の排出が始まったら排尿の成り行きを見守るだけにする。
「もれないように早め早めにトイレへ行く」「排尿の途中で止めてみたり、止めてからまた絞り出す」などのことを繰り返していると、尿はもれやすくなります。「尿意を感じてから行く」「排尿では尿の排出を見守る」を基本にしてください。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
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