産後半年以上になりますが、尿もれがあります。トイレが近く、夜中にも行きたくなります。
昨年出産して半年以上が経ちますが、尿もれがあります。特にお風呂に入った後がひどく、尿もれ専用パッドをつけています。病院には行っていません。
今は専業主婦でほとんど家にいますが、トイレが近いです。妊娠中から現在も、夜中にトイレに行きたくなります。特にトレーニングはしていませんが、治す方法を教えてください。(N.S・28歳)
お風呂の後の流出はほんとうに尿ですか? 確認してみてもやはり出産後半年で尿がもれているなら、受診をすすめます。
ご質問の中には、いま授乳しているかどうかは書かれていませんね。もしも母乳を出しているのであれば夜間も体内で水分の出入りが大きくなるので夜間のトイレは増える傾向になります。妊娠中は、大きくなった子宮が膀胱を圧迫するために夜間のトイレが増えていたのですが、出産後授乳中の期間は、違った理由で夜間のトイレが増えるのです。
授乳しない人も出産後しばらくは夜間は尿量が増えているようですが、出産後どのくらいで妊娠の影響がとれるのかはよくわかっていません。少なくとも、排卵や月経が復活するまでは、非妊時の昼夜の排尿パターンに戻らないかもしれないと推定されます。
尿もれの説明で「特にお風呂に入った後がひどく」とありますが、この液体は本当に尿でしょうか? もしかして、浴槽に身体を沈めたときに腟内に入り込んだお湯が、後からおりてきている可能性はありませんか。
腟の中にお湯が入っていないか、それを確認するのは簡単です。バスルームを出る前に、洗い場で片膝をついた姿勢かしゃがんだ姿勢をとり、強く数回せき払いしてみてください。もしも腟内に入り込んだお湯が後から出てきているのだったら、このような動作によりたぶん腟内の液体は追い出されます。そして、その後の流出はほとんどなくなることでしょう。
妊娠出産や加齢により女性の腟は変形し、若いときにはなかった腟腔のすき間ができます。そのすき間には、トイレで排尿したとき、温水洗浄便座を使ったとき、強いくしゃみが出て尿もれしたとき、浴槽に身体を沈めたとき、プールで泳いだときなどに尿や水が入り込むことがあり、臭気、汚れ、粘膜や皮膚の傷みなど、さまざまな問題を引き起こします。
産後の腟のゆるみでできたすき間に浴槽のお湯が入り込む現象は、時間がたつと目立たなくなるようです。すき間が埋まるのか、腟の出口がゆるくなるためにまとまった流出を起こさなくなるのかは、わかっていません。
このように、夜間トイレに起き出すこととこの非定型的な尿もれとは、必ずしもひとつの原因に端を発する問題と限りません。別個のものかもしれないと思って観察する必要があります。
なお、出産から4カ月以上経っても明らかな腹圧性尿失禁がある、つまり、跳躍や駆け足で力がかかるたびに繰り返しもれるし、同じ動作を繰り返しているとパッドの外までしみてくる、などの場合は、受診して医学的に対応するのがよいでしょう。
いくら尿もれは命に関わらないと言っても、腹圧性尿失禁がパッドで手当できるのは、その人の日常生活で、念のためにパッドあてしておけばトイレの心配をしないでいられるレベルまでです。パッドをあてても日常の身体活動が制約されるほどの尿もれを治療しないでいては、人生の基盤を失ってしまいます。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
この記事をご覧の方へのオススメはこちら
他のおすすめ「チャームナップ」
あなたの好みに合わせて選んでください。
今すぐできる尿もれ対策には
このカテゴリーの記事
- 妊娠、荷物を持つともれる
- 妊娠中の尿もれ対処法
- 産後の尿もれ・子宮下垂
- 出産後、排尿に不具合
- 悪阻やくしゃみでもれる
- 妊娠・産後、せき・くしゃみでもれる
- 産後の尿もれ
- 産後の尿もれ受診の目安
- 産後の尿もれ、便もれ
- 産後、朝起きるともれる
- 産後、尿が出にくい
- 産後、尿が止められない
- 尿もれ予防の生活習慣
- 出産直後からの尿もれ
- 産後、肛門に力が入らない
- 産後の膀胱下垂
- 出産後のおねしょの悩み
- 産後、生理前の尿もれ・おねしょ
- 妊娠週数と尿トラブル
- 妊娠中の排尿の心得
- 分娩時の骨盤底ダメージ
- 分娩による骨盤や骨盤底の神経への影響
- 骨盤底にやさしい分娩
- 産後のおしっこトラブル
- 出産後の肛門のゆるみ
- 出産後のセルフケア
- 産後の骨盤底トレーニング
- せきやくしゃみでもれる
- 走るともれる
- くしゃみ・ランニングともれ
- 産後、スポーツでもれる
- 縄跳びで尿もれ
- トイレに間に合わない
- 残尿と出産、卵巣のう腫
- 出産後、子宮脱に
- 産後のお湯もれ、対処法