「小陰唇癒着症」と診断されました。手術をしたほうがいいのでしょうか?
2年前に、トイレで用を足す時に横に散り、終わった後に尿がぽたぽたと垂れるようになりました。近くの病院の泌尿器科に受診したら、小陰唇癒着症というのですとか。
尿道・腟の出口の皮膚が左右くっついてきているという話でした。症状が強ければ切ってもよいが「まだ一部くっついているだけなので様子を見ては」と言われました。その後、自分で工夫して、皮膚を少し左右に引っ張って用を足すようにしました。そうすれば、横に散らず垂れることもなくて済みます。
くしゃみをするともれることは、以前からごくたまにありました。トイレの回数はもともと1日10回と少し近いたちで、冬には下着をおろす際に1カ月に1回くらいもれ、下着に10円玉の大きさの染みができることがあります。
心配なのは、私も年ですので、あまり年をとらないうちに、早めに手術をしなくてよいだろうかということです。よろしくお願いいたします。(匿名希望・72歳)
手術の必要性を医師に確認し、経過観察であれば半年後ごとに通院を。
「小陰唇癒着症」という病気は、尿道や腟の出口を左右から2枚の唇のように覆っている小陰唇が互いに癒着する病気です。
外陰部の皮膚は、女性ホルモンが少ないと弱くなるので、この病気はほとんどが閉経以降の女性に起こります(子どもにもありますが、そちらは指ではずせるくらいの軽い癒着が主です)。一部が癒着すると、排尿の時に腟に尿が残って(いわゆる腟内排尿)、ますます炎症が強まり、癒着が進む悪循環になります。
症状は、ご相談のように尿線が散る、排尿後に尿が滴下するといったことから始まり、重症では、尿の勢いが非常に悪い、全く尿が出せない(尿閉)という方もあります。
重症例では手術しかありませんが、少しだけ癒着している方は、排尿の工夫と清潔の心がけで、それ以上悪化せずに済むことが多くあります。ご自分で気づかれた、出口の皮膚を少し左右に引っ張って用を足す工夫(labial separation)は、医学的に見ても、中に尿がたまって炎症、癒着の悪循環が起きるのを防げますから、理にかなっています。洋式トイレは和式トイレに比べて、股をすぼめての排尿になりがちです。ズボンはしっかり下ろして、足を広げて便座に座ることも大切です。
医師に手術の必要性を確認し、まだ手術せずに経過をみてよいという話でしたら、半年に1回くらい通院されてはどうでしょう。下着をおろす際にもれるのは「過活動膀胱」の始まりですが、月1回、冬だけということ。
頻尿を改善したいなら抗コリン薬を試してもよし、まだ気にならないなら、こちらも様子をみてよさそうです。
監修:名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生
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