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  3. 40代、残尿感や残便感|尿もれ相談

尿が出にくく、いつも尿意があり、残尿・残便感が気になります。

せき、くしゃみ、ジャンプなどで尿がもれることは10年以上前からありました。3年ほど前からは、外陰部に何かあるような違和感や、残尿感、排尿しにくい感じがときどき起こり、何日かすると治るという状態が年に数回あるようになりました。


1年ほど前からはその状態が何カ月も続くようになり、違和感が圧痛になり、便も残便感、便が出にくい、というような状態になりました。内科で診ていただくと、子宮が直腸を圧迫していて便の通り道がなくなっているとのこと。


婦人科系では子宮内膜症の手術を2度受けており、現在も子宮、卵巣、腸、膀胱などがひと塊に癒着している状態といわれています。


また、泌尿器科では、膀胱がひょうたんのような形になっていて、残尿が65ccあると診断されました。


日常生活は、3年前から上顎骨骨髄炎と、低髄液圧症候群のため病気療養中で、家事、散歩をする程度です。


今一番辛いのは尿が出にくく、いつも尿意があること、それから婦人科で内診をすると、膀胱が刺激されるのか尿が白く濁り、ゴミのようなものがたくさん出るので、膀胱のひょうたん部分にたまっている尿が悪影響を及ぼすのではないかと不安なことです。


骨盤底筋体操もしているのですが、残尿感や陰部の違和感が強く、不快で力が入れにくいのです。


また、腹圧性尿失禁は、今はほとんどありません。でも治ったというよりは、圧迫されていて出ないという感じがします。どうにか治りたいのです。(YM・44歳)

産婦人科や、女性の骨盤底に強い泌尿器科の受診を。

子宮内膜症は子宮・卵巣・卵管やその周囲の腹膜面に慢性炎症が起こる病気で、主な症状は下腹痛や排卵障害、妊孕能(妊娠する能力)の低下です。頻尿や残尿感、排尿痛など膀胱尿道の不具合を伴うこともあります。


「子宮が直腸を圧迫していて便の通り道がなくなっている」ということはゆゆしい指摘ですが、実際に子宮内膜症でそうなることは珍しいかと思います。念のために、消化器内科だけでなく大腸肛門科にも相談してみてはいかがでしょうか。


具合の悪い箇所がたくさんあるので少し整理します。YMさんの上顎骨骨髄炎と低髄液圧症候群は、便通や排尿にはあまり関係ないと思います。ただし、もしも低髄液圧症候群の原因が、むち打ち症などクビの外傷であったのなら、脊髄にも少々影響が出ていて、それで排尿が思わしくない可能性はあります。その場合は、低髄液圧症候群の担当医に相談してみてください。


一連の排尿障害については、おそらく、子宮内膜症や手術の経歴による膀胱回りの癒着や、周囲の靭帯などの炎症の波及が、膀胱と尿道の刺激症状(尿が出にくく、いつも尿意がある)の原因であろうと思われます。


子宮内膜症では、ときに子宮内膜症の病巣(子宮内膜と似た腺組織)が膀胱壁にくいこんでいることがあります(膀胱子宮内膜症)。前回の子宮内膜症治療から3年以上たち、定期的な治療や経過観察に通院しておらず、いま、膀胱や尿道の違和感が強くなってきているのであれば、子宮内膜症の病態がその後どうなっているのか、いまいちど婦人科でもご相談ください。


尿の問題というと泌尿器科にかからなければいけないように思われていますが、実際には、診察台の上で間違いなく膀胱内の尿を採取して検査に提出できるという点で、産婦人科でも質の高い診療が行われています。排尿して白く濁っている尿の場合、ときに、腟からの夾雑物で白く見えることもあります。濁った尿があって膀胱尿道の調子がよくない場合、念のため検尿も必要になります。


監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生