せき込むともれ、パジャマが湿ることも。どうしても病院へ行く勇気がありません。

数年前に気管支炎を患い、ひどくせき込むことが数カ月続き、そのころからせき込むと尿もれをするようになりました。新聞で骨盤底筋体操を知り、しばらくしたら治りましたが、それ以来風邪をひくたび、繰り返しています。

昨年の暮れに風邪をひき、やはりせき込むと尿もれがあるのは変わりませんが、ここ数日、目が覚めるとパジャマのズボンが湿っています。もともと、夜尿症があり年に1、2度失敗することはありましたが、切迫性尿失禁もあるのかなと思いました。

ただ、どうしても病院へ行く勇気が出ません。骨盤底筋体操のような、自分で治す方法はないのでしょうか？（匿名希望・47歳）

腹圧性尿失禁でも寝ていてもれることが。当たり前のこととして相談する感覚で受診を。

腹圧性尿失禁を起こす危険因子としては出産（特に経腟分娩）が最も知られていますが、肥満、気管支炎のせきや喘息発作、慢性の便秘といったことでも骨盤底へ負担がかかり、尿失禁が悪化することがあります。また、夜間にせきがあれば、寝ていてもれることがあります。

最近は新聞やテレビによる紹介で、一般の方にも骨盤底筋トレーニングの知識が増えました。よいことですが、自己流の骨盤底筋トレーニングで改善しないと、そこであきらめてしまう方がまだまだ多いようです。ご相談の方は、トレーニングで尿もれが治った時期があるとのことですので、今後も続けてください。受診すればトレーニングのコツがもっとわかるかもしれません。

尿失禁の診療は今や泌尿器科の柱のひとつで、｢勇気を出して受診する｣のではなく、「当たり前のこととして相談する」時代になっています。より良い治療法に出会うためにも、一度受診をしてください。

監修：名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院女性泌尿器科付部長加藤久美子先生