生理10~15日前に茶色っぽいおしっこが混ざります。何かの病気でしょうか?
以前から尿もれ自体はあったのですが、最近、若干茶色っぽい尿が混ざるようになりました。そのせいで下着もかなり汚れます。
数カ月前、初めてかなりの下着の汚れを見て、最初は生理が早く来たのかと思いました。前回の生理から20日程しか経ってなかったので、変だな?とは思ったのですが、とりあえず生理用ナプキンをつけました。その後は血が出ることはなく、生理ではなかったようです(それから数日後に生理はきました)。
それ以来、ちょくちょくそれらしい茶っぽい尿が混ざるようになりました。下着の中で出る時は妙なにおいも若干感じます。どうも生理の10~15日ぐらい前に、そのような尿が出るような気がします。
尿もれの量はまちまちで、1日に何度も同じことが起こり、多い時はかなり下着が汚れます(トイレでは、たまに茶っぽいドロッとしたのが混じることがありますが、毎回ではありません。尿もれも茶っぽいのが出ないこともあります)。
トイレは1日に3回、多い時で4回行くぐらいです。現在仕事はしておらず、定期的な運動もしていません。家では座ってパソコンや読書、ゲームをしたりCDを聴いたりすることが多いです。何か病気でしょうか?(匿名・41歳)
まれに病気の可能性もありますが、下腹部痛や発熱を伴わない場合、2週間ほど様子をみましょう。
相談者さんはもともと尿もれがあるとのことですが、女性の尿には、腟・子宮・卵管などの内性器からの分泌物が混ざるケースがあります。そのため、正体不明の汚れが尿なのか、着色したおりものなのか、あるいは出血が混じったものなのかを言葉だけで正確に判断するのは難しいです。厳密には、診察や検査をしないと原因を判定できません。
ただし、今回のような症状(臭気、おりもの、違和感やかゆみなど)は、特に病気が背景にあるわけではなく、ナプキンやパンティライナー類の使用によってデリケートゾーンが蒸れているケースが多くみられます。デリケートゾーンの蒸れは、おりものや分泌物が増えたり、悪臭の原因になるだけでなく、雑菌が繁殖しやすい環境にもつながります。
まれに、着色したおりものや、一見ふつうの尿のように見えたものが、治療が必要な婦人科疾患が隠れているケースもありますが、下腹部痛や発熱を伴わない場合は緊急性は低いと言えますので、まずは外陰部の衛生管理をしながら2週間ほど様子をみるとよいでしょう。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
デリケートゾーンを清潔にし、風通しよくしましょう。正体不明の汚れが2週間以上続く場合は、産婦人科へ受診しましょう。
尿もれでも出血でもない汚れに気づいたときは、まずデリケートゾーンを清潔にし、風通しよくしましょう。そして汚れを白色の下着やシートなどに吸収させて観察します。
その間に汚れが治れば、必ずしも受診は必要ありません。一方で、痛みや痒みがなくとも、正体不明の汚れが2週間以上続く場合は、念のため産婦人科を受診しましょう。
あわせて、子宮頸がん検診を受けているかどうかも確認しておきたいポイントです。子宮頸がん検診は、自治体や職域の健康診断などで案内されるタイミングに沿って受けることが大切です。検診で異常がないと確認されていれば、正体不明の汚れがあっても、子宮頸がんの可能性はほとんどないと考えられます。
一方で、これまで子宮頸がん検診を受けていない場合や、しばらく受けていない場合は、まず検診を受ける必要があります。
デリケートゾーンの環境が乱れると症状が出やすい
実際はと言うと、相談者さんのような症状(臭気、おりもの、違和感やかゆみなど)は、特に病気とは関係なくナプキン・パンティライナー類の使用によってデリケートゾーンが蒸れているだけの人が多数派です。
デリケートゾーンは非常に繊細な場所です。「蒸れ」や「不適切な洗い方」によって環境が乱れると、雑菌が繁殖しやすくなり、おりものやニオイが悪化してしまいます。ここでは、デリケートゾーンの蒸れの原因と対策、正しい洗浄やケアの方法について紹介します。
デリケートゾーンが蒸れる原因と対策
デリケートゾーンの蒸れは、おりものや分泌物の増加、においの悪化を招くだけでなく、雑菌が繁殖しやすい環境をつくりだします。主な原因としては、以下のような習慣や状況が挙げられます。
- クロッチの狭い下着で腟の出口に蓋をしたように密着させる
- 分泌物が付着して不潔になったシートやパッドを長時間あてっぱなしにする
- 締めつけの強い下着やタイトなパンツスタイルの衣服を着用する
- 長時間座りっぱなしの姿勢で過ごす
- トイレで腟内を繰り返し洗浄している
蒸れを防ぐためには、おりものシートのこまめな交換が基本です。また、パッドやシートを常に使用している場合、パッドやシートと肌の間に隙間ができるゆとりのある下着を選ぶことや、睡眠時には下着を着用せずに風通しを良くすることが有効です。
デリケートゾーンの正しい洗浄とケア
デリケートゾーンのケアは、十分な洗浄力のある石鹸を使い、毛の生えている範囲から腟の開口部のすぐ外側である「前庭(ぜんてい)」までを、丁寧かつしっかりと洗いましょう。
温水洗浄便座は、排便後の汚れや生理中の経血を洗い流すのには便利ですが、単に温水を当てるだけではどうしても洗い残しが生じます。より清潔を保つためには、温水をかけながら手袋をした手でやさしくこすり洗うといった工夫が必要です。
一方で、排尿のたびに温水洗浄を使用することはおすすめできません。過度な洗浄は皮膚や粘膜を荒らす原因になります。また、トイレットペーパーでごしごし擦る動作も避けたいものです。排尿後は、ペーパーを数秒間押し当てて尿をよく吸い取る習慣にしましょう。
特定の症状の方は、婦人科疾患の可能性もあるため早急に受診を
正体不明の汚れには、早期発見・治療が必要な婦人科疾患が隠れているケースがあります。以下では、注意したい症状のサインや、産婦人科で行われる主な検査について解説します。
受診するべき症状のサイン
以下のような症状がある場合は、できるだけ早く産婦人科を受診してください。
- 膿のような分泌物や出血が、量は少なくとも10日以上続く
- 下腹部痛や発熱を伴う
- 分泌物から強い悪臭がする
ただし、2〜3日以内の少量の出血については、ふだん子宮頸がん検診を受けて「陰性」と判定されているのであれば、急を要する事態である可能性は低いです。
産婦人科で受ける主な検査
産婦人科では、症状に応じて以下のような検査が行われます。産婦人科では、分泌物増加を引き起こす子宮や卵管の病気を見つけてくれます。また、腟や子宮から異常な分泌物が出ていないか、汚れの原因が婦人科系のものかどうかについても、経過や症状、所見を整理すれば正しく判定できます。
- 内診:どこから分泌物や血液(出血)が出ているかを確認します。
- 超音波(エコー)検査:腟の中から超音波検査を行い、子宮筋腫や子宮・卵管の内腔の異常所見がないか画像で確認します。
- 微生物学的検査:必要に応じて、感染症の有無を調べます。
正確な診断のためには、実際のおりものや出血が重要な手がかりになります。おりものが付着したパッドや下着を撮影して医師に見せる、もしくはおりものや出血が出ている状態での受診をおすすめします。
監修
社会福祉法人三井記念病院産婦人科
中田真木先生
1981年東京大学医学部卒。産婦人科専門医を目指して研修開始。
1991年から2年間、欧州に現存する最古の病院 Hôtel-Dieu de Parisで婦人科外科部門のレジデンシー、婦人科と骨盤底の手術を学ぶ。帰国後は都内の病院で働き、専門の診療の他、尿失禁手術と骨盤底再建手術の開発と普及に携わる。2002年より、三井記念病院産婦人科に勤務。現在は同施設の嘱託として仕事を継続。
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