骨盤臓器脱で手術を受けました。湿っぽい感じや痛みがあるのですが・・・。
子宮脱のため腟式子宮全摘、前後腟壁形成を受けました。12日後に退院し、2週間後に経過を診ていただきました。外部の糸は取ってもらいましたが、内部の糸がとけるのを待ちましょうと言われました。
最初から陰部の縫った所が痛み、現在も痛くて椅子やソファに座ることができません。今は午後から夕方にかけて陰部がべたべた、湿っぽい感じがし、パンツにくっついたりして、さらに痛いです。おりものというほどではないのですが、少し色がつく程度のものが出ますので、薄いパッドを使用しています。
陰部、およびその周りが膨らんでいるためパンツがすれて痛いのと、おじぎ姿勢をすると陰部周辺に違和感があります。
排尿に関しては、手術前後とも同じ状態です。排尿に勢いがなく、普通の人より時間がかかり1回の排尿は2-3回に分けて出ます。痛くはありません。
日常生活は1万歩を目標に歩いています。ただ痛くて座ることができないので、自分用に円座を改良して座っています。正座も陰部を浮かして座れますが、長くは持ちません。
2年前にぎっくり腰になり、その後、坐骨神経痛になり、さらにその後、子宮脱になって手術を受けることとなりました。坐骨神経痛は少し治まっています。双子を出産し、鉗子分娩を経験しています。
前後腟壁形成術は何回でもできるものなのでしょうか? このまま、この病院で診てもらっていてもいいのか、あるいは他の病院で診てもらったほうがいいのでしょうか? (みこたん・60歳)
痛みを意識するとなかなか薄れないものです。修正手術に関する受診は痛みがよくなってからにしましょう。
傷の痛みが長引いている原因はいろいろ考えられます。
腰掛けるときに当たる箇所が痛いようですね。手術内容との関係では、会陰(肛門と腟の入口の間の箇所)が引き伸ばされて弱くなっていたのを修正するために処置したところではないかと思われます。だとしたら、出産後に切開や縫合の箇所が痛むのに近いのではないでしょうか。
すでに術後8カ月ほど経っているとのことで、たぶん創部は治癒が完了しているとみられます。創治癒は完了しているのにまだ痛みが残っている場合、長く引きずった痛みのために痛みの記憶が大脳に焼き付けられて痛みを忘れにくくなっている場合が多いようです。その他、手術の後で特定の場所だけが引っ張られて痛みが出ている場合もあります。
時間を巻き戻すことはできませんが、手術の後に傷の痛みが無事なくなるようにするためには、(1)術後4-6週間までの創治癒途上期間は痛みを誘発する動作や姿勢などを避けて痛みを味わう機会を減らす、(2)創治癒が完了したと判定されたら、日常の身体活動をどんどん元に戻していく、が役に立ちます。
これを裏返すと、まだ傷が治っていない期間に安静がとれなかったり、もう創治癒は終わっているのに、痛い思いをしないようにと過保護になったりすると、痛みは長引きます、ということです。
もう一度手術を受けて、形を直したり排尿しづらさを軽減したり痛みを軽くしたりということは、できないことではないと思いますが、外科手術は、機械の修理と違って何度でも試行錯誤を繰り返せるものではありません。特に痛みについては、原因のはっきりしない箇所にもう一度メスを入れれば、さらに痛みが強くなることも起こり得ます。
痛みの手当は、現時点では、再手術に期待するだけでなく、薬や理学療法なども含めて効果的な治療法を探してください。また、修正手術を受けるには、それを引き受けてくれる女性骨盤底の専門施設が必要です。あせらず準備しましょう。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
今すぐできる尿もれ対策には
このカテゴリーの記事
- 頻尿・股の痛みと薬
- 発熱、倦怠感、尿の色
- 頻尿、残尿感が続く
- 排便時や生理前の残尿感
- 急性膀胱炎の治療法
- くり返す膀胱炎
- 頻尿、痛み、残尿感
- 【医師監修】 子宮摘出手術後に膀胱炎
- 子宮筋腫の手術後の排尿
- 尿路結石後も頻尿
- 子宮内膜症・筋腫ともれ
- 子どもの頃から排尿問題
- 尿管異所開口とは
- レーザー治療後に尿もれ
- 閉経後の尿もれ・おりもの
- 60代、子宮脱の手術
- 子宮下垂とスポーツ
- リング装着から2年
- 子宮脱・膀胱瘤の治療
- ペッサリーの注意事項
- 60代、膀胱瘤
- 腟ヘルニアとセルフケア
- 子宮脱手術後の傷の痛み
- 尿道下垂で通院
- 膀胱下垂手術後の尿もれ
- ペッサリーのトラブル
- 子宮がん手術で尿意喪失
- 子宮摘出後の膀胱・膣
- 卵巣がんの術後に尿もれ
- 産後の膀胱炎と残尿感
- 尿道と腟の間がポッコリ