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  3. 腟ヘルニアとセルフケア|尿もれ相談

子宮脱で手術したものの完治せず、腟ヘルニアに悩んでいます。

3人の子持ちです。1人目を吸引分娩後、子宮下垂になり、タンポンを使用しても押し出されてしまうようになる。年子で2人目を出産後、子宮脱となる。3人目出産後、慢性的な子宮脱となり、無理をすると時々擦れたところから出血するように。


出産した所とは別の個人病院で、もう3人もいることだしということで、41歳で腟式の子宮摘出手術を受け、腟も処女のように狭くしてくれたとのこと。その後、腟内にヘルニアのようなものが出てきてしまい、摘出した医師に紹介された病院で2度も手術しましたが完治していません。


先日、旅先で長時間立位でいたため、とび出ている部分がピンポン玉のように腫れあがってしまい、大学病院を受診したところ、化膿菌が入ってしまったとのこと。その時に入り口部分を狭くすることはあるけど、奥までこんなに狭くすることはない、と医師に言われました。


尿もれより腟ヘルニアの方が悩みのタネです。年齢的にも経済的にも、もう手術はこりごりですが、骨盤底リハビリでよくなるでしょうか? (白百合・58歳)

術後、ヘルニアになるのは珍しくありません。納得のいく治療をじっくり探しましょう。

以前の手術で、子宮を摘除して極度に腟を狭めたとのことですね。伝統的に、子宮脱を整復するとき、子宮をとって膀胱の後ろ側や腟の出口などに補強操作を加えるのがふつうでした。


しかし、子宮をとることは子宮を取り囲む支持構造を失うことでもあり、同時に腟の前後左右にきっちり補強処置を加えれば、相対的に腟尖端(=腟の天井)の支持力が不足するおそれがあります。


後年、強い力がかかるようになると(肥満、コルセット、足腰の故障など)、必ずということではありませんが、腟尖端が押し出されてヘルニアになることが珍しくありません。その後の治療はちょっとデリケートになってしまいます。


腟尖端の脱出について、脱出した粘膜面をくりかえし下着などに強くこすりつけると、表面が傷んで出血や炎症が起こります。とりあえずワセリン(軟膏製剤などに用いられる成分)を塗り柔らかいパッドを当てて保護しましょう。


また、排尿や排便のとき、腟が裏返ってせり出すためにもどかしい思いをしていませんか。その場合は、脱出した部分を自分の手で押しこみながら排泄動作をしてみてください。手に尿がかかりますが、それは気にしなくて大丈夫です。自宅では手を洗ってから触りましょう。外出するときは、100円ショップなどで手に入る使い捨てのポリ手袋をバッグに入れて出かけましょう。


性器脱はもともと60歳以後の病気です。「この年で手術は…」などといわずにきちんと治した方がよいでしょう。


ただし、技術的にも機能温存の観点でも、腟尖端を持ち上げる手術にはいろいろと検討すべきポイントがあるのも事実。とりあえずはセルフケアをしながら、じっくり納得のいく治療を探してください。


産婦人科医・中田真木