尿路結石症で石が出たあと頻尿の症状に。冷えと関係ありますか?
尿路結石症にかかり、石が出て10日程経ちますが、頻尿の症状がおさまりません。排尿後10分くらいで、なんとなくトイレに行きたくなる感じが始まり、1時間に1回は必ず行きます。夜中は3時間おきです。排尿痛はありませんが、ときどき出にくい場合があります。量は正確にはわからないのですが、多からず少なからずといったところです。
医師からは異常なしと診断されました。冷えが原因しているのかと思い、下半身を冷やさないように工夫をしてみましたが症状は変わりません。もしかして精神的なものによる頻尿なのでしょうか?
尿もれに関しては、3年前の出産後1年半ほどひんぱんに起きました。今はほとんどなく、たまに激しくくしゃみをした時にだけ、ほんのちょっぴりある程度です。(サリー・41歳)
結石による膀胱刺激症状の残りかも。排尿日誌をつけてみては。
尿路結石症は日本尿路結石症学会の調査によれば、男性の7人に1人、女性の15人に1人が一生のうちに経験するというくらい多い病気で(*1)、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などの種類があります。
膀胱でできる石もありますが、大半は腎臓ででき、そこから下がってきます。大きな石は、体外衝撃波破砕術(ESWL)や内視鏡を用いた手術が必要になりますが、直径1cm以下の石であれば、水分摂取や運動を心がけることで尿に混じって自然排石するよう促してみていけます。
結石の症状で有名なのは、片側の背中から脇腹、下腹部にかけての疼痛発作です。お産より痛いとよく言われます。一方で、鈍い痛みや血尿だけしかない場合もありますし、石が膀胱の近くあるいは中まで下がると、膀胱を刺激して頻尿や残尿感が起きてくることもあります。
ご相談の方は、石が出てからまだ10日で、結石による膀胱刺激症状が残っていることが考えられます。また、結石の患者さんには、自然排石を促し結石の再発を防ぐ目的で、「水分を食事以外に2リットル摂りなさい」と勧めるので、それで頻尿になってしまう方もあります。
まずは、排尿日誌をつけてみるとよいでしょう。もちろん、結石と関係なく、冬場の急な冷え込みで過活動膀胱が出てくることもあります。腰から下の保温に気をつけ、結石予防に水分を摂る時も温かい飲み物を中心にする、それで頻尿が続けば医師に相談して抗コリン薬やβ3作動薬を試みてはと思います。
監修:名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生
- (*1)安井 孝周, 井口 正典, 郡 健二郎.Pharma Medica 25巻2号 Page15-19, 2007
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