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トイレで力むと何か下がってくるように。子宮脱の手術は若いうちにすべきですか?

昨年、夫が入院して付き添いをした際に便秘がひどくなってしまい、トイレで力んだ時に何か下がってくるようになりました。丸くてつるっとしたもので、押さえると中に入っていきます。


子宮脱というのを耳にしたことがあったので、医学書やインターネットで調べ、近所の産婦人科の先生にみていただいたところ、「下がりは軽い、子宮をとる手術がある」というお話でした。手術と言われても夫の介護があって、身動きがとれません。


普通の生活をしている分には気にならないのですが、便秘で力むと下がってきて、拭く時に出ているところにつかないか、ばい菌が入らないかと心配になります。


もともと便秘ぎみで、食事には気を使っていましたが、夫の病気で自分の生活が二の次になっているうちに、悪化させてしまいました。3日も出ないと、出口で詰まったようで、下剤を飲むとおなかが痛くなるので、必死で力んだり、肛門の回りを指で押したりして苦労しています。


おしっこは、したいと思った時に「この仕事を片付けてから」と我慢していると、下着を下ろす間に1、2滴もれることがたまにあるだけです。手術は若いうちのほうがよいのでしょうか?(そよん・67歳)

介護でひどくなる人は少なくありません。すぐに手術と慌てずに、便秘対策を。

ご主人の入院、介護と大変ですね。女性では、骨盤底のゆるみで膀胱や子宮が下がってくることがよくあります。膀胱瘤(膀胱脱)、子宮脱、また総称として骨盤臓器脱という呼び方もします。


ご家族の介護で、抱き起こす、車椅子への移乗で腹圧をかけたら、脱がひどくなったという人は少なくありませんが、そよんさんの場合は、生活の変化で便秘が悪化したことがきっかけのようです。


骨盤臓器脱の「三ない」は、「重い物を持たない」「便秘で力まない」「体重を増やさない」です。


普段の生活は問題がなくて、トイレで力んだ時だけ下がるのなら、手術と慌てず、便秘対策を強化するのが先決です。食事に注意し、刺激性下剤で腹痛があれば、酸化マグネシウム(カマ)などを試みるとよいかもしれません。便の水分量が増え、するっと出るようになったとよく聞きます。


出口に硬便が詰まった場合は、肛門周囲のマッサージとともに、摘便(てきべん)もありかと。薄手の手袋にサラダ油をつけて潤滑をよくし、指の届く範囲を無理せず優しくとります。排便時は、ティッシュペーパーを丸めて前にあてがい、前を押さえながらすると安心と教えてくれた患者さんもいました。


80歳代後半での手術も多く、高齢でもお元気なら通常問題なく行えます。介護や仕事で入院が困難で、ペッサリーやサポート下着で何年かみた後、手術を受ける方もあります。医師に下垂の程度を見極めてもらいながら、相談していけるとよいなと思います。


監修:名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生