子宮筋腫の全摘出の後、排尿しづらく膀胱か尿道のあたりがひどく痛みます。
3週間前、子宮筋腫で全摘術を受けて静養中です。おなかの傷はだいたいよくなりましたが、手術の後おしっこが出しづらく、しかも、トイレ中からその後まで膀胱か尿道のあたりがひどく痛みます。
おなかの傷の痛みはだいたいよくなってきましたが、排尿は途切れ途切れになるし、痛みはトイレの後5分から10分も続くので、もよおすたびに毎回恐怖です。
おしっこの管を入れていたせいでしょうか? 病院へ電話して聞いてみたら、看護師さんには「子宮をとった後はそういうこともときどきありますが自然に治ります。心配ならば次回受診のときに先生に相談してください」と言われました。
こんな症状が出ることもあるなら、手術前に絶対説明すべきだと思うのですが。(幸枝・47歳)
手術から2~3カ月たてば排尿はスムーズに。当座は水分摂取に気をつけ、おだやかな排尿を。
幸枝さんのように、子宮摘除後に排尿しづらさや排尿時の痛みが出現するのは珍しいことではありません。ご指摘のように、ひとこと事前に説明してよと、私も思います。
子宮筋腫で子宮が大きくなると、大きくなった子宮と恥骨の間に膀胱がはさまれ、膀胱の収縮が弱くても尿を排出できるようになります。するとどうやら、膀胱は強く収縮しないことになれてしまうようなのです。この変化はゆっくり起こるため、本人は自覚していません。
ところが、手術で大きな子宮が取り外されると、この変化は突然です。突如、尿を排出するのに、以前より強い膀胱収縮が必要になります。無理して排尿する結果、排尿しづらさや排尿時の痛みなどを味わいます。たぶん、バランスの悪い力づくの排尿になってしまうのでしょうね。
単純子宮摘除術では膀胱や尿道の神経は傷つきません。年齢にもよりますが、膀胱平滑筋はしばらくすると新しい環境になれて十分に収縮するようになります。手術から2~3カ月たてば、排尿しづらさや排尿時の痛みは解消するでしょう。
それまでできることは、尿の排出を助ける薬剤(α遮断薬)を服用すると少々尿を出しやすくなります。なお、すっきりしようとして水分をたくさんとったり、腹圧をかけたりすると、たいていは排尿に伴う痛みを何回も味わうはめになり、逆効果です。水分摂取はほどほどにして、排尿はおだやかにひと続きに、を心がけましょう。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
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