子宮脱でリングを入れていますが最近トイレが近くなり、ナプキンが汚れます。
子宮脱で2年前にリングを入れました。その後、受診はしていません。手術は高齢のため麻酔が心配なのと、別な病気が出てくるといけないと思い、やめました。
最近、トイレがまた近くなったことと、やや薄くナプキンが汚れます。なかなか受診しにくいのですが、よい病院がありましたら教えていただきたいと思います。(A.A・78歳)
ペッサリーは定期的なチェックが必要。手術やペッサリーをはずすことを考えてみては。
ペッサリー(リング)を装着したまま点検を怠っており、腟の中ではペッサリーが強く当たる部分で腟粘膜が傷み、炎症を起こしてきているようです。放っておくと、ペッサリーは腟の前後の壁に食い込んでいきます。直腸や膀胱にまではまりこんで孔(あな)があくこともあります。
安全のために、ペッサリーを使っている間は指示通り定期点検に行かないといけません。ノーチェックで長期間入れっぱなしにするなんて、危険すぎます。受診先は、ペッサリーを入れてくれた産婦人科にまず診てもらってください。
その後の治療は他の産婦人科や泌尿器科にお願いするとしても、ペッサリーの管理は、当初ペッサリー管理を始めた(ペッサリーを挿入した)施設が管理に当たるのが原則です。管理を開始した施設に継続して定期点検に通うことが難しいのでしたら、紹介状を書いてもらって通院しやすい産婦人科へ移動してください。
「トイレが近い」ことについては、詳しい状況が不明です。ペッサリーがよい位置に落ち着いていないのかもしれません。逆に、ペッサリーがよい位置に嵌まると尿もれするという人もみたことがあります。
やや薄くナプキンが汚れるというのは、出血しているということでペッサリーによる問題と思います。念のために子宮がんの検査をする、ペッサリーをはずして経過をみる、などのことがいま必要です。
ペッサリーによる保存管理は、定期的通院という手間ひまがかかるものです。ペッサリー管理を受けている間は、定期的に医療費が発生し、一定期間ごとに産婦人科の診察を受けなければならなくなってしまいます。
手術に切り替えようとする場合に、ひとつ踏まえていただきたいことがあります。それは、手術を受けようとする場合、専門的に手術している施設はペッサリーの使用を完全にやめてからでないと受け入れてくれないことがあるという点です。少し余裕をもって抜去し、はめていない期間が1カ月くらいたってから診察することにしている施設が多いので、少し余裕をもって移動先の病院を決めてください。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
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