立ったりジャンプするスポーツを続けていると、子宮下垂は悪化しますか?
1年半前に腟の中に何かはさまっているような違和感があり婦人科に行ったところ、子宮下垂と診断されました。まだ手術の対象ではないので、骨盤底筋体操をして様子をみるようにと言われました。
その頃、くしゃみをした時など、たまに少し尿もれがありましたが、骨盤底トレーニングを続けたら、尿もれはなくなりました。今も腟に違和感は多少ありますが、ストレス解消のために週に何度かスポーツをしています。
テニスやバドミントンなど走ったりジャンプしたりするスポーツを続けていると、子宮下垂は悪化しますか? 続けていても大丈夫なのでしょうか?
また、骨盤底トレーニングを続けていても、いずれは年齢とともに徐々に下垂から子宮脱になってしまうのでしょうか?(ハル・50歳)
長期的な運動の制限はすすめません。下垂が進むときはスローエクササイズを。
最初の要点は「走ったりジャンプしたりのスポーツは子宮下垂を悪化させるか」ですね。確かに、弛緩下垂のある人が大病をして寝込むと、子宮は引っ込みます。しかし健康な女性の場合、長期にわたって運動を減らすのはあまりにも不自由です。それに運動不足は健康に有害です。
運動をどの程度制限したらどの程度弛緩下垂の進行が抑えられるかは全くわかっていませんが、長期的な運動の制限は、とても推奨できるものではありません。
弛緩下垂が進むとできるスポーツは限られてきますが、太極拳、ヨガ、ピラティス、スイスボール(バランスボール)などのスローエクササイズはたぶんできます。これらのエクササイズで身体をほぐすのはよいことです。
次の要点、「骨盤底トレーニングを続けていても弛緩下垂は進行していくか」について。いちど流動化した骨盤底は加齢とともに子宮脱や膀胱瘤などの問題を起こしていくことが多い、と申し上げるしかありません。
骨盤底の養生訓は、骨盤底トレーニングだけではありません。肥満の解消、足腰の鍛練、その他骨盤底への負荷を減らすための種々の方策など、いろいろなことが子宮脱・膀胱瘤の進行を遅くするのに役立ちます。
骨盤底トレーニングだけでなく、その他のポイントもチェックしておきましょう。ただし、これらの養生訓を守っても、子宮脱・膀胱瘤は少しずつ進んでくることが多いようです。
産婦人科医・中田真木
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