中2の娘が昼間おもらしをしている様子。本人は「わからない」の一点張りで困ります。
中学2年生の娘のことで相談します。オムツを外すのも大変苦労し、これまでずっと昼間だけのおもらしをしている様子です。
小学生の頃はズボンが濡れるのが分かるほどで、足をつたって靴や靴下が汚れていました。 高学年になるにつれて臭うのに、病院に行くことは頑なに拒否されています。おもらしの時、出ている感じがしないのか、問いただしたり厳しくしてしまいました。本人は「わからない！」の一点張り。
一緒に入ったお風呂で、やけに性器が飛び出しているというか、垂れ下がっている、位置が違うような気がします。
先日はとうとう学校で床に流れるほど失禁してしまいました。毎日の洗濯のたびチェックすると、やはりおもらしをしています。とても活動的な子で部活動も力を入れていますが、母親の私が参ってしまいます。（中2の母）
まずは過活動膀胱が疑われます。抗コリン薬を試してはどうでしょう。
小児期から続く尿もれで、一旦起きると足をつたって床に流れるほどに多量ということから、排尿反射のコントロール未成熟による「過活動膀胱」の状態が、まずは疑われます。尿意切迫感を伴うことが多いのですが、何かの拍子にふとブレーキがはずれたように、尿意なしにダーッと出る時もあります。
「尿意があるなら、なぜ早くトイレに行かないの」と家族に責められても、したい時、もれる時、待ったなしだからこそ病気なのです。
小児の昼間遺尿の大半は年齢とともによくなりますが、中2なら抗コリン薬とか試してみてもよい頃。おばあさんやおばさんで、少し距離を保って、「泌尿器科って恥ずかしくなんかないよ。気楽に受診してみたら」と言ってくれる人はありませんか。強要せず、本人が受診する気持ちになるよう、働きかけてください。
性器が飛び出している、垂れ下がっているというのは、拝見しないとわからないものの、この年代で骨盤臓器脱（性器脱）は考えにくく、「小陰唇肥大」ではと思います。小陰唇（外尿道口、腟口をおおう左右のひらひら）の大きさは人それぞれで気にすることはありません。手術したこともたまにありますが、ご家族の心配し過ぎが圧倒的に多いです。
監修：名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生