就寝中と性交中の尿もれがつらい。過換気症候群や鬱の経験があります。
就寝中の尿もれ(おねしょ)と、我慢できずにトイレ寸前で起こす尿もれ、性交中の尿もれに悩んでいます。
就寝中の問題ですが、自宅では尿もれに気付き目が覚める程度で量も少なく、頻度も1、2カ月に1回です。旅行先では、宿泊先が友人や親戚宅に限って起こり、尿意に気付かないままおねしょしてしまいます。
就寝中の問題に共通しているのは、必ずトイレで用をたしている夢を見ている事です。おねしょは子どもの頃から頻繁にあり、その続きで今も起こっていると思えば、ゆっくり回復しているといえばそうなのですが・・・。
トイレ寸前での尿もれは、尿意が強い時に限って起こり、どうしても我慢できなくなり下着にシミを作る程度です(ひどい時はズボンも汚してしまいます)。いつごろからこの症状があったのか定かではありません。
性交中の尿もれですが、事前にトイレに行くのを忘れると、気づかないうちにおねしょのようになっていることがあります。旅行先での就寝時以外パッドは使用していません。
過換気症候群、うつなど精神的に弱い部分が子どもの頃からあります。それから、20歳前後の頃に膀胱炎によくかかりました。これぐらいの症状でも病院にいく必要はあるのでしょうか?(匿名・28歳)
抗コリン薬やβ3作動薬は、効く人には大幅な改善をもたらします。
子どもの夜尿症の原因は複合的ですが、昼間ももれる場合は、大人の切迫性尿失禁と同様に、過活動膀胱(膀胱が小さく、コントロールできない膀胱の収縮が起きる)の関与が考えられます。
子どもの頃からの夜尿症が残っているといっても、1、2カ月に1回とたまなので、それだけで毎日薬をのむのはピンときませんが、我慢できずにトイレ寸前で起こす切迫性尿失禁が増えているようですので、膀胱の収縮をおさえる抗コリン薬や膀胱を広げるβ3作動薬を試す値打ちはあると思います。効く方には非常に効く薬です。
夜尿症の治療薬には、上記のほか、三環系抗うつ薬、抗利尿ホルモンの内服(ミニリンメルト)や点鼻スプレー(デスモプレシン)などがあります。旅行時などの夜尿症の対策として選択肢になるかもしれません。
性交中の尿もれは十分研究されておらず、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁の一つの表現、オーガズムに伴う尿道の弛緩ともいわれます。事前にトイレに行く、タオルを下に敷いておくなどの対策が考えられます。
監修:名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生