ライナーを使うとかぶれてしまいます。なにか対策はありますか?
今思えば、小さい時から尿もれをしていました。ずーっと下着につくシミは「おりもの」だと思っていたけど、最近になって、これは尿もれだと知りました。ずっとパンティライナーを使っていて、かゆみがありました。
産婦人科で見てもらったところ、かぶれているので使用をやめた方がよいと言われ、そのまま下着をつけるようにしてかゆみはなくなったけど、シミと匂いが気になります。
そこで、尿吸収ライナーを使ったのですが、やっぱりかゆみが出ました。何か対策はあるのでしょうか?
尿もれは治るのでしょうか? 病院に行くのは抵抗がありますが、行くとしたら何科ですか?(匿名希望・27歳)
まずは問題点をきっちり整理して。外用薬はつけてよい範囲を確認して使うこと。
「尿もれする」についてですが、尿もれかどうか定かではありません。尿もれはしていないかもしれません。
かゆみのために受診し、診察しようとするとパンティライナーや尿吸収ライナーの当たる形に皮膚が湿疹になっている人がいます。尿もれパッドや生理用ナプキンと比較して、ライナー類は防水シートが皮膚と腟の出口に近接するため蒸れによる皮膚障がいを起こしやすいと思われます。
外陰部の皮膚障がいの治療は、まず、皮膚を傷める原因を探索します。おりものに対してライナーを使っている場合、まずは薄いライナーをやめて厚みのあるナプキンにかえてもらいます。少し厚みのあるナプキンの方が、防水シートと皮膚の間に距離ができるため、皮膚への負担は少なくなります。
コットンでできていたり皮膚と接するところがコットンになっているパッドについて質問されることがよくあるのですが、私はむしろ、さらさら感を追求している製品を推奨しています。木綿は水分を吸うとなかなか乾かない素材で、木綿のTシャツやランニングシャツはあせものもとなのですから。
皮膚の状態をよくするために、きれいに洗うことも不可欠です。入浴やシャワーのときには、皮膚アトピー向けの石鹸など低刺激性で洗浄力のある界面活性剤を使い、手指で腟の入口までの範囲を十分に洗います。
一方、外陰部の皮膚障がいを起こしている人は、温水洗浄便座を使いすぎていることがあります。洗う範囲を明確にせず漫然とお湯をかけるだけでは外陰部はきれいになりません。かえって水流の刺激で皮膚は傷むかもしれません。温水洗浄便座の使用はしばらく控えてもらいます。
外用薬が外陰部の皮膚に合わないこともあります。念のため、外用薬の使用もしばらく控えてもらいます。
なお、腟炎があると、白血球や分解酵素の多いおりものが出てくるため、いくら外陰部の手入れをしても外陰部の皮膚の状態はよくなりません。この問題は婦人科でチェックしてもらいましょう。
生理の期間以外、帰宅後はパッド類を使わなくても大丈夫なのであれば、自宅ではパッドをはずすようして、患部の皮膚を乾かしましょう。下着は、外陰部に当たるクロッチの幅の広いものがよく、さらには鼠径部にゴムがめぐることのないバミューダタイプのものやフレアパンツが優れています。
夜寝るとき、ライナーも下着もとってパジャマだけで休むことができれば、外陰部の皮膚のためには理想的です。できる人はやってみてください。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生