尿もれを悪化させる排尿習慣
健康な排尿は、「トイレへ行きたい」という感覚を確認してからトイレへ行き、膀胱が収縮して尿道がゆるむことで起こります。ところが女性の中には、むやみとおなかに力を入れて尿を絞り出すくせのある人がいます。腹圧で尿を排出してばかりいると健全な排尿反射が失われることの影響は大きく、次第に尿もれするようになったり、以前からあった尿もれが悪化したりします。
- おしっこをする時、おなかに強い力を入れて、腹筋の力でおしっこを絞り出す。→膀胱があまり収縮せず、膀胱と尿道の働きがアンバランスになりやすい。
- 尿意を感じないのに、何度もトイレへ行く。
- おしっこが出終わっても、さらにいきんで尿が残っていないか確認する。→尿もれを悪化させる可能性がある。
おしっこをする時は、腹筋と骨盤底筋の力を抜いて、穏やかに尿の流出を見守ることが大切です。また、尿意を感じてから排尿することで、穏やかな排尿がしやすくなります。正しい排尿のリズムを取り戻しましょう。
排尿習慣とは少し違いますが、以下のようなことも尿もれの原因、悪化の要因になります。
- 治療用コルセット、腰痛ベルト、ボディスーツなどの愛用。→胴回りをしっかりと囲い込むことで、おなかの中の圧力が100%骨盤底にかかるようになり、骨盤底を傷めるおそれがある。尿もれや骨盤臓器脱の傾向がある人は、胴回りに巻くコルセット類を使うときは必ず整形外科医の指導のもと使いましょう。
- 便を出しづらい人が、トイレで毎日、数分以上もいきむ。
- 気管支喘息やアレルギー鼻炎で、強いせきやくしゃみがいつも出る。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
- ※尿もれを引き起こす原因の特定は本人には難しい場合がありますので、担当医にご相談ください。