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尿失禁手術(TVT手術・TOT手術など)

腹圧性尿失禁の治療としては、尿失禁手術が最もよい成績を上げています。「よい成績」とは、この治療で尿もれが解消される人の割合が高く、高度な尿もれや長期間にわたる尿もれを治療するときに、尿もれを解消する効果が高いということです。


現在、日本でのトレンドはTVT手術とTOT手術の2つで、まとめてMUS手術(中部尿道スリング手術)と呼ばれます。これらはいずれも腟から行う処置で、TVT手術はまたの名を「恥骨裏スリング」と言い、日本では1999年から行われています。TOT手術は「経閉鎖孔スリング」とも呼ばれ、2002年頃に導入されました。


MUS手術では、腟の出口近く、腟が中部尿道に接する箇所に長さ1〜1.5cmほどの小切開をおき、腟壁の下に鋏で横方向のトンネルを作ります。ついで、トンネルの最深部から穿刺操作を行い、TVT手術では尿道の下側をくぐって恥骨の裏面に接する経路、TOT手術では大腿の内側の方角へ向かう経路にポリプロピレン製メッシュテープを通します。


メッシュテープをどのくらい引っ張るかについて、TVT手術では手術を受けている人に咳払いをしてもらってメッシュテープの引き加減を調整することが可能で、尿道内圧が低い人の治療にはTVT手術が適しています。TOT手術は、メッシュテープの引き加減は目視によりますが、術後に排尿困難が起こりにくいのと、原理的に手術による臓器損傷がごく稀であることが利点です。


MUS手術の麻酔は、局所麻酔だけ、局所麻酔と全身麻酔の併用などです。咳払いでメッシュテープの引き加減を調整するためには、このどちらかを採用する必要があります。MUS手術は日帰りでも行なえないことはないのですが、1〜2泊の入院で行なっている施設が多いようです。


医学的には腹圧性尿失禁の標準治療に位置づけられるMUS手術ですが、もしMUS手術を受けて期待した効果が得られなかった、合併症が起こったなどの場合、治療前の状態には戻せません。これは手術治療の特性で、手術というものは試しに受けてみることはできないのです。


そこで、手術の前には、排尿記録、パッドテスト、超音波画像検査、必要ならばウロダイナミクス検査も駆使して、個々の患者さんが間違いなく手術でよくなりそうかを評価することが必要です。また、手術が成功するためには腟式手術の技術や経験が必要です。


尿失禁手術を考える人の中には、ときにひどく感情的になって、「もうどうなってもいいから、先生、私を手術してください」などと口走る人もいますが、それはどうかと思います。MUS手術に腕を振るうことのできる医師がおり、手間を惜しまず必要な術前評価を行なってくれる施設を探しましょう。


MUS手術を受けた人がその後に骨盤臓器脱になることがあると、しばしば、激しい排尿障害と二次性の切迫性尿失禁になります。骨盤臓器脱そのものが排尿障害や切迫性尿失禁を起こす疾患ではありますが、MUSスリングが挿入されていると膀胱や子宮が下ってきたときにこの問題は激烈になるかもしれません。


MUS術後に骨盤臓器脱になって排尿障害を呈している状態では、生活の質(QOL)の低下が大きく、また、この状態は早く手を付けないと次第に治療抵抗性になってしまいます。MUS手術を受けてある人は、かかりつけの産婦人科医を持つ、定期的に子宮がん検診を受ける、など爾後の骨盤臓器脱に警戒を怠らないようにしましょう。


監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科医長 中田真木先生