尿もれの検査の方法
尿もれの検査は、以下のような内容で行なわれます。
●問診
最初に、尿もれの始まった時期、状況、量、出産の状況などについて、問診があります。これらは医師が的確な診断をする上で重要な情報ですので、恥ずかしがらず、ありのまま率直に答えましょう。
もし可能ならば「排尿日誌」をつけておいて持参すると、ひじょうに役立ちます。
●内診
骨盤底が弱っていることが尿もれの原因かどうかを確かめるため、婦人科の内診と同じように診察台に上がり、腟への触診などが行なわれます。
内診に際しては、骨盤底や腹筋が正しく働いているか、子宮や腟の状態はどうか、などをチェックします。できるだけリラックスして受けましょう。
●パッドテスト
一定期間、パッドやおむつをあてておき、後からパッド類を集めてパッドの重さを計ります。
「1時間パッドテスト」と「24時間パッドテスト」があります。
「1時間パッドテスト」は、500mLの水を飲んでからさまざまな尿もれを誘発する動作を行ない、その間のもれた尿の量から、尿もれの重症度を推定します。
「24時間パッドテスト」は、平常どおりの生活で丸々1日間パッドをあてておき、使用済のパッドをポリ袋などに集めます。
平常どおりの生活で24時間の間に生じた尿もれの量は、尿もれがその人の生活にとってどれだけのハンディキャップとなっているかを評価する材料になります。
●超音波検査
婦人科診察のときなどに、外陰部や腟の中から膀胱頸部、尿道、骨盤底筋などを超音波検査で観察します。
膀胱の下垂、膀胱から尿道への移行部の変形、尿道のぐらつき、排尿後の残尿、骨盤底のたわみ、すぼめ動作がうまくできているかどうかなど、実に多くのことが短時間に判定できます。
最近では、3D超音波で骨盤底筋などの損傷(妊娠出産による)を観察することも、技術的には可能です。
●ウロダイナミクス検査
尿流動態検査、尿水力学的検査などとも呼ばれます。
尿もれ、排尿しづらさ、排尿時や排尿後の違和感など膀胱尿道の症状や機能障害に対して、原因となっている膀胱尿道の性能低下を評価するのに、この検査が必要になります。
泌尿器科や産婦人科の専門的な施設で受けられます。施設によっては、腹圧性尿失禁や子宮脱・膀胱瘤の手術の前の術前評価の一環としてウロダイナミクス検査を行なっています。
監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科 中田真木先生
- ※尿もれを引き起こす原因の特定は本人には難しい場合がありますので、担当医にご相談ください。