尿もれ改善への生活指導
尿もれの原因となる生活上の問題点を取り除くため、必要な方には生活指導があります。
この生活指導を守るだけでも、尿もれが治る方もいるほどですから、ぜひ参考に。
その人の症状により異なりますが、以下のような指導が考えられます。
●水分摂取が多すぎる方、夜尿のある方
1日の食事以外での水分摂取が2000ccを超える方は、少し減らした方がよいかもしれません。特に夕食以降の過剰な水分摂取は、夜間の尿量増加に直結するので問題です。
●水分摂取が少なすぎる方、頻尿の方
水分摂取が少なすぎると膀胱にたまるおしっこの量が少なくなり、少ない量の排尿を繰り返す傾向になりやすいと同時に、尿が濃くなるため膀胱が刺激され、尿意が強くなるともいわれています。 1日の排尿が800cc未満にはならないよう、また、ある程度尿意を感じるまでトイレへ行かないように指導されます。
●肥満の解消
太っているといつも腹腔内や骨盤腔内の圧力は高く、骨盤底には大きな力がかかり続けます。また、1回1回の尿もれの量も多くなるので、体重オーバーを解消することには大きな意味があります。
●便秘の解消
便が大腸にたまっていると膀胱機能が不安定になり、それが原因で尿もれが起こっていることもあります。便秘解消の食事指導としては、食物繊維の多い野菜類、海草類、豆類、キノコ類、乳酸菌(ヨーグルトなど)等をとるように指導されます。
●排尿障害のある方
溢流(いつりゅう)性尿失禁、尿排出障害のある方の場合は、残尿を取り除くため、尿道に管を差し込み膀胱から直接尿を取る「導尿」が必要なことがあります。
セルフケアとして1日2~8回自分で導尿をする「自己間欠導尿」は、必ず医師や看護師の指導を受けて行ないましょう。
監修:名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生
- ※尿もれを引き起こす原因の特定は本人には難しい場合がありますので、担当医にご相談ください。