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エストロゲン補充療法(ERT)

子宮、腟の活動は卵巣から分泌されるエストロゲンによって支えられ、50歳前後になると卵巣は寿命がつきて閉経します。女性の膀胱、尿道と子宮、腟は隣接しており、栄養や酸素を供給する血管も途中まで共通です。エストロゲンが激減すると、子宮や腟の血流が大幅に減るのと並行して膀胱や尿道への栄養や酸素供給までもがダウンしてしまいます。


細い内視鏡を用いる膀胱鏡検査では、膀胱や尿道の内部を観察することができます。この検査で、閉経後の膀胱粘膜は血流が乏しくなり青白く見えます。また、動物実験により、エストロゲンが欠乏すると膀胱平滑筋の収縮する力は弱まることが示されています。


腟の状態の変化を介しての、閉経の尿道への影響も無視できません。腟の粘膜の新陳代謝が衰え粘膜層が薄くなると、腟内には雑菌が増殖し腟の粘膜には慢性的な炎症が宿るようになります。閉経後の女性によくある「排尿しづらさ」や「残尿感」は、ほとんどが腟壁の慢性炎症の現れです。


閉経に関連して腟壁や尿道に起こる慢性的な炎症と二次的な萎縮の過程、および、これによって引き起こされる腟や膀胱尿道の不具合は、多くの閉経後女性に起こり、閉経と加齢に伴って起こってくるひとまとまりの病態と見られます。最近では、更年期医学や女性骨盤底医学の領域でこの病態を「閉経関連泌尿生殖器症候群」(genitourinary syndrome of menopause, GSM)と呼ぶ申し合わせになりました。


具体的なGSM対策としては、予防防止には、まず外陰部の清潔管理が欠かせません。これは、歯周病を防ぐために歯磨きをして口の中を清潔に保つ必要があるのと同じです。


次に、ときどきほんの少しでよいので、腟内から微量のエストロゲンを投与するエストロゲン補充療法(estrogen replacement therapy, ERT)が効果的です。ERTを行う場合、子宮内膜への有害事象を避けるために、ときどき少量の黄体ホルモンを加えます。


萎縮性変化が進んでからのGSMの治療はどのようになるか。この状態も、清潔管理によってある程度違和感や尿道の不快感が軽減されますが、治療の成果を上げるためには粘膜の床構造(固有層)への働きかけが必要となります。これにはERTはもはや力不足で、胃炎の治療に使われる粘膜修復薬の転用、レーザー光などによる組織修復力のてこ入れ(リサーフェシング)などが試されています。


監修:社会福祉法人三井記念病院 産婦人科医長 中田真木先生