骨盤底筋の鍛え方とは?
ゆるみのセルフチェックから効果的なトレーニング方法まで解説
骨盤底筋トレーニングは尿もれの予防・改善に効果が期待できます。毎日続けることが大切です。
動画で解説
骨盤底筋の位置
椅子に座り、両方の手のひらを上向きにしてお尻の下に置きます。指が触れる、かたい骨のでっぱりが坐骨結節です。「骨盤底」は、この坐骨結節の間に張っています。
骨盤底筋トレーニングでは、肛門や膣を意識して「しめる→ゆるめる」を繰り返すことで、骨盤底を鍛えていきます。
基本編
骨盤底筋トレーニングは、正しい姿勢とリラックスした状態で行うことが重要です。まずは無理のない範囲から始めましょう。
仰向けの姿勢
- 1. 仰向けの姿勢になり、両ひざを軽く曲げて立て、足を肩幅に開き、からだをリラックスさせます。
- 2. 下腹部の上に片手を乗せ、12~14秒程度、肛門や膣をお腹側にじわじわっと引き上げるようにしめます。きつい方は、最初は5秒ぐらいから始めてください。
- 3. しめた後は、力を抜いて46~48秒程度、体をリラックスさせます。
- 4. 1分間に行う「しめる」「ゆるめる」のサイクルを10回繰り返します(合計10分間)。
床に座った姿勢
- 1. 床に座り、壁に軽くもたれ、両膝を軽く開いて立てます。片手を下腹部にあて、からだをリラックスさせます。
- 2. その姿勢で12~14秒程度、肛門や膣をお腹側にじわじわっと引き上げるようにしめます。きつい方は、最初は5秒ぐらいから始めてください。
- 3. しめた後は、力を抜いて46~48秒程度、体をリラックスさせます。
- 4. 1分間に行う「しめる」「ゆるめる」のサイクルを10回繰り返します(合計10分間)。
応用編
応用編の姿勢は、状況に応じて組み合わせて構いません。ここまでマスターすれば日常いつでもできるので、思い出した時にぜひ試してください。
椅子に座った姿勢
- 1. 椅子に腰と背中があたるよう深く腰掛けます。足を軽く開き、片手を下腹部にあて、からだをリラックスさせます。
- 2. その姿勢で12~14秒程度、肛門や膣をお腹側にじわじわっと引き上げるようにしめます。きつい方は、最初は5秒ぐらいから始めてください。
- 3. しめた後は、力を抜いて46~48秒程度、からだをリラックスさせます。
- 4. 1分間に行う「しめる」「ゆるめる」のサイクルを10回繰り返します(合計10分間)。
立った姿勢
- 1. テーブルなどのそばに立ち、足を肩幅ぐらいに開きます。
- 2. 両手も肩幅に開き、テーブルにつき、軽く前に傾いた姿勢をとります。
- 3. 上半身の重みを両手にかけながら、12~14秒程度、肛門や膣をお腹側にじわじわっと引き上げるようにしめます。きつい方は、最初は5秒ぐらいから始めてください。
- 4. しめた後は、力を抜いて46~48秒程度、からだをリラックスさせます。
- 5. 1分間に行う「しめる」「ゆるめる」のサイクルを10回繰り返します(合計10分間)。
ヨガもオススメ!
ヨガでも、骨盤底筋トレーニング同様、骨盤底筋を鍛えられますので、お近くのヨガ教室に通ってみるのもオススメです♪
骨盤底筋トレーニングの効果が出やすい人と出にくい人
骨盤底筋トレーニングの効果が現れる早さは、その方の現在の状態や症状の種類によって異なります。
まず、比較的早く効果を実感しやすいのは、「腹圧性尿失禁」が軽度から中等度の方です。また、産後3~6ヶ月以内の方、骨盤底をしめる力が弱い方、神経損傷がない方は適切なトレーニングによってスムーズに筋力が戻りやすい傾向にあります。
一方で、改善を実感するまでに時間を要するケースもあります。腹圧性と切迫性が混在している「混合性尿失禁」の方や、高齢の方は、焦らず継続的にトレーニングを行いましょう。
もし正しい方法で3ヶ月続けても変化が見られない場合は、トレーニングだけでは補えない要因が隠れている可能性があるため、一度専門医へ相談してみましょう。
骨盤底筋のゆるみのセルフチェック方法
骨盤底筋がどの程度ゆるんでいるか、セルフチェックしてみましょう。以下のいずれかに該当する方は、骨盤底筋がゆるんでいる可能性があります。
- くしゃみや咳をした瞬間に尿が漏れることがある。
- 重い荷物を持った時に尿が漏れることがある。
- 尿意がないにも関わらず漏れることがある。
- 産後、以前よりも尿を我慢できなくなったと感じる。
- お風呂上がりにお湯が膣から漏れ出てくることがある。
- 股の間に何かが挟まっているような違和感がある。
骨盤底筋トレーニングのよくある質問
骨盤底筋トレーニングについて、よくある質問とその回答を、専門医の見解に基づき解説します。
いつから効果が出ますか?
早い人で4週間、多くの方は8〜12週間(2〜3ヶ月)で効果を実感し始めます。まずは3ヶ月間、毎日続けることを目標にしましょう。
尿もれが完治することはありますか?
かすかな尿もれであれば、解消することがあります。パッドが手放せない人でも、もれの量を少なくする効果は十分にあります。 ただし、スポーツや重い物を持つ場面でも全くもれない状態を目指すなら、一般的には腹圧性尿失禁の手術治療が必要になります。
産後いつから始められますか?
経腟分娩と帝王切開のどちらであっても、基本的には産後1ヶ月健診で医師から経過に問題がないと診断された後から始められます。まずは健診時に医師へ相談した上で、決して無理をせず自分のペースで少しずつ取り入れていきましょう。
ジムでの筋トレと並行してもいいですか?
スクワットなど、過度に腹圧がかかる運動には注意が必要です。 骨盤底筋が弱っている状態で強い腹圧をかけると、逆にゆるみを悪化させる恐れがあります。まずは骨盤底筋トレーニングで骨盤底筋を安定させ、その後、段階的に強度の高い筋トレへ移行することをおすすめします。
監修
名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院
女性泌尿器科付部長
加藤久美子先生
米国ペンシルヴェニア大学泌尿器科研究員、英国セント・ジョージ病院産婦人科臨床研究員を経験。 女性泌尿器科で排尿診療を専門に活躍中。
社会福祉法人三井記念病院産婦人科
中田真木先生
1981年東京大学医学部卒。産婦人科専門医を目指して研修開始。
1991年から2年間、欧州に現存する最古の病院 Hôtel-Dieu de Parisで婦人科外科部門のレジデンシー、婦人科と骨盤底の手術を学ぶ。帰国後は都内の病院で働き、専門の診療の他、尿失禁手術と骨盤底再建手術の開発と普及に携わる。2002年より、三井記念病院産婦人科に勤務。現在は同施設の嘱託として仕事を継続。







