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膀胱トレーニング

頻尿や切迫性の尿もれ(切迫性尿失禁)の方のセルフケアのひとつが「膀胱トレーニング」です。

おしっこが膀胱にある程度たまるまで我慢して、膀胱の容量を拡大していきます。

始める前に気をつけること

軽い尿もれは改善できる

尿意を感じてからトイレまで間に合わない「切迫性」の尿もれや尿意切迫感を伴う頻尿を「過活動膀胱」といいます。また、心因性頻尿(習慣性頻尿)といって、早めトイレが習慣になっていたり、緊張、不安から頻回にトイレに行く方もいます。


過活動膀胱の診療ガイドラインでは、薬物療法と並んで「膀胱トレーニング」など行動療法が高く評価されています。 薬物療法を受ける場合でも、「膀胱トレーニング」を併用すると、薬の量を減らしたり、薬剤の中断に役立てることができます。


「受診するほどでもない」と感じている軽症の過活動膀胱、生活習慣の見直しで頻尿を改善したい方などは、膀胱トレーニングでかなりよくなる場合があります。

膀胱トレーニングが向かないケース

切迫性尿失禁が頻回にある方では、「我慢したらもれちゃう、トレーニングなんて無理」ということもあるでしょう。こういった場合は、過活動膀胱の治療薬を使って尿もれを減らしてから取り組むのが現実的です。


また、頻尿、尿もれの中には、時に尿路感染症、膀胱ガン、尿管結石、間質性膀胱炎といった大切な病気が隠れています。神経疾患や骨盤内の手術による頻尿、尿もれは、「膀胱トレーニング」だけでは改善が難しいと考えられます。


これらの病気が考えられる時、症状が強い時、血尿、排尿痛、膀胱痛など、ほかの症状を伴う時は、必ず先に医師の診察を受けてください。

注意

「膀胱トレーニング」を一定期間行なっても症状が改善しない時は、ほかの病気の見落としを避け、薬物療法や行動療法を検討するために医療機関を受診しましょう。

生活習慣の見直しが大切

「あらかじめトイレ」はやめましょう

緊張するとトイレへ行きたくなる方、尿がたまるともれやすい腹圧性尿失禁の方などは、もれるのが心配で、尿意を感じないのに「あらかじめ」トイレに行くことを習慣にしがちです。

しかし、この習慣で排尿後も違和感が残り、ますます少ない量の排尿を繰り返す傾向になることがあります。

「あらかじめトイレ」「早めトイレ」の生活習慣は、改めるように心がけましょう。

水分摂取に気をつけて

水分摂取量は、少なすぎも多すぎもよくありません。 尿もれやトイレに行く回数を心配するあまり、極端に水分摂取が少ないと、気温が上がった時、外出中などに脱水症状や熱中症を起こす危険があります。


一方で「水分とって血液さらさら」の思い込みで水分を摂り過ぎ、頻尿、尿もれを悪化させている方もいます。


1日の尿量は体重あたり20ml(体重50kgなら1000ml)以下は少なすぎ、40ml(体重50kgなら2000ml)以上は多尿の傾向とされています。 排尿日誌を参考に、適切にとるようにしましょう。

膀胱トレーニングのやり方

STEP 1

5分を目安に、できる範囲から

トレーニングといっても基本は簡単で、「毎回、尿意を感じてから少し(5分ぐらい)我慢する」ことです。


最初は不安かもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。

5分以下しか我慢できなくても、気にすることはありません。無理に我慢して失敗するより、最初はできる範囲からチャレンジ。家にいて、もれても問題にならない時から始めるのがよいでしょう。

STEP 2

慣れてきたら、少しずつ時間をのばす

5分程度我慢できるようになったら、あなたの膀胱がだんだんと自分の意志でコンロールできるように、しっかり尿をためられるようになってきた証拠です。

自信を持って、さらに少しずつ、10分、15分、20分と時間をのばしていきましょう。

排尿日誌で排尿パターンをつかむ

自分がどのくらいの間隔で、どのくらいの量のおしっこをしているのかを正確に知るために「排尿日誌」をつけましょう。 排尿日誌は、自分の排尿のパターンを理解するのにも役立ちます。


例えば、「尿意を感じたが、たまっていた尿はわずかだった。ストレスで心因性頻尿だったのかな」という発見があるかもしれません。


また、習慣性・心因性頻尿の場合、夜中や起床後最初のおしっこの量は正常値であることがよくあります。「自分の膀胱の実力はけっこうあるのだ」と自信を持ってください。


尿意を感じても少しずつ我慢して排尿間隔を広げていけば、生活上の支障も軽くなっていくでしょう。

「骨盤底筋トレーニング」もあわせて実行を!

「膀胱トレーニング」と同時に「骨盤底筋トレーニング」を行なうと、さらに効果的です。 尿意を感じた時すぐに数回、骨盤底の筋肉をぎゅっと締めると、膀胱に収縮を抑えるメッセージが出て、膀胱がゆるみます。ぜひ、あわせて実行してみましょう。


監修:名古屋第一赤十字病院 女性泌尿器科部長 加藤久美子先生