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女性の尿もれの原因と対策について

#尿もれ #女性 #原因

排尿の仕組みを理解したうえで、ご自身の排尿習慣と照らし合わせ、尿もれの原因やご自宅でできる対策について考えてみましょう。

自然な排尿とは? 不自然な排尿が引き起こす女性の尿もれ原因

排尿とは膀胱が収縮して尿道が開くことでおしっこが出る仕組みのことです。膀胱と尿道の間の自律神経が働いて出てきます。例えば、小さい子がおしっこを我慢して遊んでいて、ふと我慢するのを忘れてうっかり漏らしてしまう。これは骨盤底にも負担のかからない自然な排尿と言えます。つまり、膀胱の平滑筋(※)がきちんと機能していて、膀胱が収縮したときには尿道がゆるむという神経回路が働いている証拠です。おしっこを我慢する仕組みの基本は脳の中にあります。

ところが、特に女性はこの自然な排尿ができなくなってきてしまう場合が多いのです。大きな原因は妊娠・出産です。経腟の出産を経験すると、骨盤底筋を使って排尿を我慢することが多くなります。女性のほうが男性より骨盤底が弱い上に出産もするので、脳の中で我慢しているだけでは足りなくなって、骨盤底筋も使って我慢するようになり、反対に排尿するときには、いきんで絞り出すようになるのです。そのような不自然な排尿習慣から、尿もれ、腹圧性尿失禁などになってしまう場合もあります。

※ 平滑筋:胃や腸、子宮、血管、気管、尿管などの中空器官の壁にある筋肉

加齢だけが原因じゃない! 若い女性にも多い尿もれの原因とは?

加齢で膀胱と尿道も歳をとりますが、それだけでなく、若い頃から排尿のときにいきむ習慣があって、長年それを繰り返すこともよくありません。現代人は排尿をしたいと身体がまだ感じていなくても、長時間電車に乗る前やプレゼンの前など心配でトイレに行きます。ところが、まだ尿意を感じていないときに排尿しようとすると、結果的にいきんで排尿することも多くなります。そのような不自然な排尿を繰り返していると、尿道や膀胱の出口の部分が押し下げられやすくなって尿もれしやすくなります。

また、肥満も影響することがわかっています。超音波の画像を見るとわかるのですが、肥満になると尿道や膀胱の出口の部分が下がってきてしまい、一定のところまで下がると漏れやすくなります。また、肥満になると膀胱周囲の腹腔内圧が高くなるため、その影響も考えられます。

意外な尿もれの原因とは? 膣内環境と排尿習慣の関係

最近、膀胱や尿道の問題による尿もれだけではなく、女性の腟内から尿が漏れる、というか厳密には垂れて来ている場合があることがわかってきました。子宮が身体の外に出てきてしまう子宮脱という病気があるのですが、その手術をした後の患者さんなどで、腟の中に尿がたくさん入り込んで溜まっている人が時々います。そのメカニズムは、尿が尿道から出るときにスムーズにトイレの水面に落ちず、一部が腟内に迷い込んでしまっているのです。根本的な原因は、齡を取るとしばしば両側の陰唇が中央で接して外尿道口(尿道の開口部)を囲い込む配置になることです。子宮脱の手術では下がった子宮を上げるので手術から数ヶ月間は腟内に微妙な隙間ができており、そこに尿が入り込みやすくなるのですね。

腟は尿道と背中合わせになっている臓器です。尿が入り込むなどしていつも腟内が汚れていると、腟粘膜は慢性の炎症を抱えた状態になり、その炎症は尿道にも波及して頻尿や尿意切迫感が出てきます。そしてさらに、頻尿によって不自然な排尿習慣を繰り返していれば、尿もれしやすくなり、もれた尿は腟内に迷入し、という悪循環につながります。

膣内環境を整えて尿漏れを防ぐ!正しい排尿習慣とは?

私たち産婦人科では尿もれや頻尿などで受診される女性を診る場合、まずは腟の粘膜の状態を診ます。あわせて骨盤底の状態も確認し、問診では排尿習慣をうかがいます。腟内が荒れている女性には同時に尿の問題を抱えている方が多いですし、出産を経験した方はしばしばいきんで不自然な排尿をしています。中には、いきむときに骨盤底筋を収縮させている人までおり、こうなると膀胱平滑筋は自分で収縮することがほとんどできません。

このような尿もれの問題が起きる前であれば骨盤底筋トレーニングが有効な場合もあります。しかし、最近の尿もれパッドは性能がよく、きちんと吸ってくれるパッドをこまめに交換すれば、外陰部や腟内を清潔に保ち、腟が清潔に保たれるだけでも、多くの女性の尿もれは軽減されます。ですので、吸収力がしっかりしたものを使い、女性の大切な「お股」の衛生環境をきちんと管理するように、また、力まないリラックスした体勢で自然な排尿をすることを患者さんには伝えています。

尿もれを防ぐ! リラックスした正しいトイレ姿勢と作法

まず体勢ですが、しっかり股を開くことがまず不可欠です。女性は40歳を過ぎたあたりから尿道の出口のすぐ外側にある陰唇(いんしん)が垂れてきて、無意識の排尿では開きにくくなります。しっかり股を開くことで尿道開口部を囲い込む陰唇を左右に分け、尿が腟の中に入り込むのを防ぎます。尿が腟の中に入り込むと、尿もれしているのと同様の悪臭がしたり、腟炎になりやすくなります。閉経後は、女性ホルモンの減少によって腟の粘膜が弱くなっているため、迷入する尿の影響を受けやすくなります。

トイレットペーパーの使い方も要注意です。ゴシゴシ擦るとパルプのクズが外陰部や腟に残り、大腸菌などが付着します。そのゴミは排尿するときに今度は腟の中に入り込む尿によって腟内に運び込まれるかもしれないのです。ですので、トイレットペーパーを陰唇に5〜10秒程度押し当てるだけで構いません。動かすとしても小さく揉む動作に留めましょう。決して擦らないでください。

また、温水洗浄便座は排尿のたびに使う必要はなく、生理の時の経血を流す、排便後に肛門周囲を軽く流すだけにして、使用する際には弱い水流で短時間あてるだけにしてください。使用している女性本人には腟内に水流が入り込んでいるかどうかわかりません。強い水流は使わないでください。

まとめ

まずは自分の生活習慣や排尿習慣を振り返り、自然で骨盤底に優しい排尿ができているのか考えてみましょう。トイレに行きたくないのに無理に出していませんか? トイレでいきんでおしっこしていませんか? トイレットペーパーでゴシゴシ擦っていませんか?

さらに腟内の衛生環境はどうでしょうか? 臭いは気になりますか? トイレに頻繁に行っていますか? もし自分で解決できない場合は、産婦人科へ行って相談してみてください。女性の腟と膀胱尿道は密接な関係にあることをお忘れなく。

監修

社会福祉法人三井記念病院産婦人科

中田真木先生

1981年東京大学医学部卒。産婦人科専門医を目指して研修開始。

1991年から2年間、欧州に現存する最古の病院 Hôtel-Dieu de Parisで婦人科外科部門のレジデンシー、婦人科と骨盤底の手術を学ぶ。帰国後は都内の病院で働き、専門の診療の他、尿失禁手術と骨盤底再建手術の開発と普及に携わる。2002年より、三井記念病院産婦人科に勤務。現在は同施設の嘱託として仕事を継続。

腟内の衛生環境を保つためにもしっかり吸収するパッドをこまめに交換し、使ってみるのもよいかもしれません