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残尿感がいつもあります。尿切れが悪くて困っています。

#残尿 #残尿感

残尿感や尿切れが悪いと感じている、そもそもの原因はなんでしょうか? ご自身の排尿習慣を振り返り、正しい排尿方法を身につけ、排尿トラブルが少しでも減るよう考えてみましょう。

残尿感がある、尿切れが悪いという現象について

「残尿感」と「残尿がある」は違う状態なのをご存知でしょうか。一般に、本当に残尿がある人には残尿感はなく、残尿感がある人には残尿はありません。もし残尿感があると女性が言ったら、膀胱炎になっている、もしくは、穏やかでスムーズな排尿ができない何らかの原因があるのではないかと私たちは疑います。炎症もしくは通過障害が、残尿感の原因なのです。

「尿切れが悪い」という自覚症状は、医学的な見方では、きちんと問診していないと、どういう問題を指しているのかわからないのですが、尿がタラタラと出てなかなか終わらないという問題の場合、単に尿道の出口が垂れ下がった陰唇(いんしん)に囲い込まれて尿の流れがせき止められていることがほとんどです。試しに、陰唇を指で左右から前方に広げた状態で排尿してみれば、この問題の場合気持ちよく排尿が終わるでしょう。

残尿感、尿切れの悪さの改善方法は?

元来、排尿の時には膀胱の平滑筋が収縮し尿道が緩んだ状態になります。しかし、まだあまり尿がたまっていないのにトイレへ行くことを繰り返したり、いつも骨盤底に力を入れるくせがついていたりすると、排尿の時、尿道が緩まないままいきんで(=腹圧で)尿を絞り出すことになります。

尿道が締まったままいきんで尿を絞り出す排尿を繰り返していると、尿道は違和感を発するようになり(=刺激症状)、おしっこがないのに残ったように感じ、ますます頻尿になってしまいます。頻尿になるとますます腹圧で排尿することになりますから、悪循環に陥ります。残尿感のある方はまず、早過ぎるタイミングでトイレへ行っていないか、いきんで絞り出していないか、排尿のリズムや排尿の動作を見直してください。

「尿切れが悪い」と感じている人は、陰唇がきちんと開いていないのかもしれません。その場合、おそらく腟の中に尿が入り込んでいます(腟内遺尿)。腟内に尿を流し込むような排尿を繰り返していると、腟内は不潔になり粘膜が傷みます。そして、腟の炎症は隣接する尿道にも波及します。この場合も、尿道は刺激症状(=残尿感)を出すので頻尿や尿意切迫感が出てきます。

こういった事態を回避するには、まず、排尿する時に陰唇を開いた状態にすることが必要です。股を大きく開く、少し上体を前傾させる、可能ならばズボンをおろすなどしてみましょう。水面に落ちる尿の音をよく聴くと、尿流がストレートに便器の水面に落ちているか、合わさった陰唇の間からしょぼしょぼ垂れているかがわかります。

体形によっては、大腿を大きく開いてもまだ陰唇が開かない人がいます。その場合、どうしましょうか? 腟の中が汚れても仕方ないとあきらめますか? 前後に手を洗わなければならなくなりますが、ご自身の手指で陰唇を開く手があります。使い捨てのポリ手袋を持っていれば、外出中も手指を使えます。

よい排尿習慣を取り戻すためには、尿もれ回避のために何回もトイレに行っていてはうまくいきません。尿もれ専用パッドを使用し、尿が十分にたまってからトイレに行くようにする方が、尿もれは軽減します。尿もれ専用パッドを活用すると、トイレのありかを気にすることも少なくなりますね。

外陰部と腟内の衛生環境を守るという立場からは、蓋をしないこと、風通しよくすることが要点です。ショーツはクロッチが前後左右にゆったりしているものがよく、パッドを使用する場合はある程度厚みのある(=防水シートと皮膚の間に距離ができる)ものの方がよいということになります。ズボンスタイルならば、太ももの付け根が広く股上のゆったりしたものを選んでください。

どの時点で病院に行ったほうがいいでしょうか?

もし上に説明したことをやってみても残尿感や頻尿がよくならないのでしたら、診てもらったほうがいいでしょう。受診先は、明らかに膀胱炎の場合は泌尿器科、それ以外の慢性的な膀胱尿道刺激症状は婦人科がよいと思います。汚れた帯下や、せっけんがしみる、など腟炎の症状が複合している場合は、必ず婦人科に相談してください。

婦人科がん検診などで腟鏡を入れると、痛む場合があります。これも腟炎の症状です。このような方に頻尿や残尿感の問題がある場合、膀胱に直接作用する薬剤よりも、まずは腟炎の治療が必要です。

女性のデリケートゾーンの不具合は1つだけとは限らず、腟の痛み、性交痛、頻尿、残尿感、尿失禁など広い範囲にまたがり、多数のおとなの女性がこれらの症状に悩んでいます。かつては、腟炎は生殖器の病気、頻尿や残尿感は泌尿器の病気と線引きされていましたが、今では、女性の腟のコンディションと排尿関係のトラブル、中でも頻尿や残尿感が多くの場合密接な関係にあることが理解され、GSM(※)という病名にひとくくりされています。

GSMはオーラルケアと同様、正しい知識と日頃のデリケートゾーンのケアによってかなり防止できます。一方、ひとたび明らかな症状を現わしたGSMを軽減するには、何週間、何ヶ月という長期間、治療とご自身によるケアを続ける必要があります。現在、短期間でGSMを軽減しその状態を長く維持する治療は存在しません。

人生百年と言われる今日、快適なお股と、トイレに行く時以外思い出さなくてよい膀胱尿道機能は、おとなの女性の活動的な生活を支えるインフラです。早めの対応が今後10年のQOL(生活の質)に影響します。問題があったら遠慮なく受診しましょう。

※GSM(閉経関連性器尿路症候群):閉経の近づく頃からデリケートゾーン(外陰部)、腟、膀胱尿道などにまたがる様々な不具合が出現してくる状態。

まとめ

「残尿感」と「残尿がある」は異なります。残尿感があって頻尿になっていたり、尿切れが悪いと感じている場合、排尿のリズムや動作に問題があったり、腟に炎症があることも考えられます。まずはトイレではしっかり太ももを開き、腟内遺尿にならない姿勢で全身の力を抜いて排尿しましょう。

中田真木先生(社会福祉法人三井記念病院 産婦人科)

デリケートゾーンの衛生環境を保つためにもしっかり吸収するパッドをこまめに交換し、使ってみるのもよいかもしれません